ミニボートの選び方

なさん、「船をもつ」ということを想像したことありますか? 一般的に「船をもつ=お金持ち」といった印象が強いと思います。 そもそもイメージしている船というのは高級マリーナなどに停泊している大型のクルーザーを想像しているのではないでしょうか。 また、「船って免許が必要だよね」とか、「維持費って結構かかるんでしょ」とか結構ハードルが高いと思っていませんか?もちろん間違いではありませんが、「船」の中にもいくつか種類があり、その中でも「ミニボート」という種類のボートについて説明します! ミニボートとは?
FRP製一体型ボート D-80SⅢ ミニボートとはその名の通り、「小さい船」のことです。 具体的には登録長3m未満の船のことを一般的に「ミニボート」と呼びます。 では、なぜ、登録長3m未満の船を「ミニボート」と区分しているのでしょうか。 それは、「免許不要で乗ることができたり、登録が不要なボート」だからです。 詳しく説明していきましょう。 免許不要で乗るためには? まず、免許不要でボートを乗るためにはいくつか条件があります。 それは ①2馬力以下のエンジンであること
トーハツ株式会社 2馬力エンジン DFS2C ②登録長3m未満のボートであること 以上の2点が挙げられます。 ①2馬力以下のエンジンであること まず、エンジンの出力が2馬力(出力 1.5kw未満)であることが条件となります。 大手エンジンメーカーからも発売されており、いくつかの種類に分けられます。 一般的に普及している物としては ・4ストローク ・水冷式 ・前進、ニュートラルのギアを切り替えできるタイプのもの ・安全装置がついているもの となります。 他にも2ストロークのものや、空冷式のもの、遠心クラッチを採用しているものなど種類がありますが、ここでの説明は割愛します。 安全装置においても、キルスイッチやプロペラガードなどいくつか種類がありますが、国内メーカーのものであれば、必ず安全装置はついているので問題ありません。
ホープオリジナル アルミ製プロペラガード 迷ったら上記の仕様のエンジンを選ぶことをオススメします。 ②登録長3m未満のボートであること 登録長とは、全長とは異なります。一般的には全長×0.9mが登録長になります。 具体的には「船舶を登録原簿に登録する際用いる船の長さを登録長さといい, 上甲板下面において, 船首材の前面より舵軸の中心線までの水平距離をいう」となっています。 以上の2点を満たしたボートに関しては免許不要で乗ることができます。 では、ミニボートの種類を見ていきましょう。

材質別

・FRPボート

ひと目見て「カッコイイ」と声の多い船型のSASUKE S -346LW 一般的に普及しているボートのほとんどがFRP製のボートになります。 メンテナンスフリーで乗れて、強度も問題なく、また、大量生産可能という点から非常に多く流通しています。 また、修理等も比較的容易で、一度修理方法を憶えてしまえば、個人でも補修可能となります。必要な道具や材料もホームセンターで入手可能です。

・インフレータブルボート

驚きの装備と驚き低価格で提供されている、DI-310A 空気を入れて形を作るタイプのボートです。少し前までは合成ゴムを使用したボートが多く、通称「ゴムボート」と呼ばれています。 現在は合成ゴムの他にPVCという生地を使用したボートも広く流通しています。 PVCは合成ゴムに比べ、軽量かつ安価になります。また、空気を入れた際の張り具合も、ゴムではないので、たわみも少なく、結構固くなります。

・RIBボート

RIBボートでありながら2馬力・免許不要で乗れるPR-330TⅡ インフレータブルボートとFRPボートのいいとこ取りのボートです。 インフレータブルボートの安定性を持ち、かつ、FRPボートの走行性を併せ持つボートで、海外や日本国内でもレスキュー用途で活躍したり、観光用に採用されていたりと幅広く活躍しているボートです。ちなみにRIBとは「Rigid-hulled inflatable boat」の略で、直訳すると「硬い船体のインフレータブルボート」です。複合型ゴムボートとも言います。

・アルミボート

全幅1.3m、サイドフロート取付可能、シート内にはウレタンびっしりと安全性の高いAP-330WS。定員4人 川や池などバスボートとして人気なボートです。昨今の環境配慮の点などから、最近は海でも使用されることが多くなってきているボートです。 比較的軽量かつ剛性も高く、穴など空きにくい素材であり、リサイクル可能ということで人気が出てきているボートになります。 パントタイプやジョンタイプと呼ばれる船型があります。 パントタイプとは、溶接して製造するタイプのボート ジョンタイプとは、1枚の板を曲げて船艇を製造するタイプのもの になります。 船体の種類 船体の種類に「一体型」「分割型」の2種類があります。 「一体型」とは一般的なもので、船体が1つのものになります。
FRP製一体型ボート DS-110LⅢ。仕切りがなく船内のスペースも広い

○一体型のメリット

準備が楽 片付けが簡単 比較的安価 スペースが広い

×一体型のデメリット

置き場所のスペースが必要 運搬方法が決まってしまう 「分割型」とは、その名の通り、船体が分割式のものになります。2分割から4分割までが一般的で、組み立てて使用する形になります。
FRP製分割ボートのD-254PX3。仕切りができるが、収納すればなんとN-BOXにも入るサイズに!

○分割型のメリット

置き場が省スペースで済む 分けて持っていくことで軽くなる 運搬方法を組み合わせることができる(3分割の場合、一番小さい部分は車内に入れ、残りの2つを組み合わせてカートップするなど)

×分割型のデメリット

組み立てがめんどくさい 一体型に比べ高価 仕切りができる分スペースが狭い など、特徴がありますので、使用方法だけでなく、運搬方法や保管方法に応じて選択することが必要となります。

デッキの構造

ミニボートは一重構造のシングルデッキタイプか二重構造のダブルデッキタイプに分けられます。 シングルデッキタイプは船底の形状がそのまま表れるため、凹凸があり、荷物を置く場合はスノコを置いたりして平らにする方も多い反面、軽量かつ安価になります。
FRP製一体型ボート PS-333L。船底の形による凹凸が見えるが、11フィート・全幅1.6mながらも重量70kg台と軽量 ダブルデッキタイプは船底から上に平らなデッキがあるので、荷物の置き場などに困らず、また、デッキ上に溜まった水を排水できる構造となっている反面、重量が重く、高価になります。
FRP製一体型ボート PS-335LW。前述のPS-333Lのダブルデッキバージョン。物が置きやすいフラットなデッキ。重量110kgを越える

まとめ

ミニボートの中にも様々な種類があることがわかってもらえましたでしょうか。 ご自身の遊び方だけでなく、予算・保管方法・運搬方法・定員などに応じて選ぶことでボートが絞られてくると思います。安い買い物ではないので、ボートの特徴を知り、より良いマリンライフを過ごせるよう、しっかり選んでもらえればと思います。 ボート選びに迷ったり聞きたいことがありましたら、お気軽にお問い合わせください!